「韓国家庭料理 海慶園」(☆☆)

Kaikeien
 

 「サローネ2007」 の平シェフによる異色の韓国料理屋さん。

 アンガス牛がこれほど美味いとは驚きました。イベリコ豚もズッキーニにも驚きましたが、その食材に妙があり、かつその調理は基本がしっかりしていて地道に美味しいものばかり。

 遠くから行くというよりも地元の人に喜ばれそうなお店になっていました。
 
住所:中野区本町3-12-10
電話:03-3375-0112
定休:火曜
営業:17時~深夜0時ごろ
 
 中野新橋の駅からも程近い場所。外観もそうですが内装もまともに焼肉屋さんのそれ。中も明るい真っ当な店です。
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 座敷ですべてが掘りごたつの形式。テーブルの上には韓国で使われる石鍋がのっていて、これでお肉などを焼きます。最近は煙を吸うテーブル設置型の炭火焼肉が多く、肉を焼くのは金網ということが多かったのですが、これはこれで煙は出ないし、肉から滴り落ちる脂で燃え上がらないしで良さがあります。そういえば「キム ダイニング」もリフォームしたのにガスコンロ使用でした。豚肉を焼くにはこっちが便利です。


08年8月4日夜の来訪。

 平シェフのお招きで男呑みの会。
 仕事が終わってから電車で中野新橋まで移動。20時半駅待ち合わせでしたが、雷雨が始まったので自分で頭に入れておいた地図を頼りに店に移動。到着は20時15分で、もうすでにnoodles氏や平・藤巻の両氏もいらしていました。

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 飲み物はアルコールが飲めないのでジンジャーエールを。



だだ茶豆
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 最初におつまみに出されていた枝豆、これがだだ茶豆でした。食べると香ばしいような香りがして通常の枝豆にはない良さが。ビールが飲めないので、パクパク食べてしまわないよう自制するのが大変でした。
 
ナムル三種
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 定番のこれも美味しい。豆もやしは胡麻油の香りも控えめで気に入りました。ぜんまいもほうれん草も良い感じです。日本人好みでしょうか。
 
白菜キムチ・カクテキ
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 本格的白菜のキムチ。クタクタになって酸味が出るようなものではなかったので、漬け込んでいるたれが美味しいのだろう。
 カクテキはざっくりと良い食感で大根の甘さがこれでもかと味わえます。
 
たことキュウリの辛み和え
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 茹でてぶつ切りにした蛸の足とキュウリの韓国風の辛み和え。さっぱりしていてにんにくの香りも良い。
 
カツオのたたき
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 長崎県産のカツオのたたきです。上には糸唐辛子と細切りにした大葉(かな?)。味噌だれをかけています。

 

豆腐の辛いスープ
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 石鍋に運ばれてきたのは韓国らしいチゲスープ。具は滑らかな絹豆腐、ネギ、大根、しめじで、卵で閉じてあります。その上に糸唐辛子。辛いけど美味い。
 
サンチュ
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 サンチュは山盛り。生の春菊、エゴマ、バジルも一緒に盛られ、赤と緑の唐辛子にニンニクスライスがついています。エゴマは最初大葉に見えましたが、香りが違いました。同じシソ科でも結構違うのですね。

 

アンガス牛(サガリ・ロインロース・インサイド)
 お肉にはタレがついていません。塩胡椒が振ってあるのみ。手元のたれも最初は出されませんでした。
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 その代わりに、テーブルの上にはチベットの塩。そして、塩味と胡麻油の香りも良いネギだれ、韓国味噌、壷に入った大根おろしが出されます。
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 お肉は和牛ではなくアンガス牛。

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 インサイドという赤身は大腿の内側だそうで。脂身がなく柔らかな赤身。
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 ハラミのように見えるのはサガリという部分。やはり横隔膜の肋骨側の厚い部分なのだそうで。適当に脂も乗って赤身も充実しています。これもどちらかというと赤身を楽しむもののようです。
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 そしてアンガス牛のサーロインの薄切り。これは最初から美しいロースとビーフのようで均等に脂身が散らばっています。和牛好きにはたまらない品。これで十分に美味しい。これを塩胡椒で食べさせるところが良いですね。
 たれは途中で出していただけます。甘みと辛味が適当なそれは肉をつけて食べると恐ろしいほど普通の焼肉らしくなってしまいます。塩胡椒で食べるのがこの肉を味わうのに良いと思います。


イベリコ豚
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 イベリコ豚です。焼いて食べるとどんぐりの持つ苦味ある風味がじっくり口に広がります。
 
 品書きには書いてありませんでしたが野菜も。

 にんじん、白いネギ、ピーマン、なす、インゲン、そして白いズッキーニです。
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 ズッキーニは残りを見せていただきましたが、ズッキーニらしくない形です。南国の果物のようです。外側の皮が白い分緑のズッキーニの食感よりはやや柔らかめで中の味は確かにズッキーニらしい。
 
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 おつまみに韓国海苔。
 
焼きめし
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 最後の締めに韓国風の焼き飯です。カクテキなどの辛いたれに胡麻油を回しかけ、その上にたっぷりの白米。テーブルの上に残っていたナムルやキムチにネギだれを突っ込み、石鍋の上で焼いていきます。コンロに火をつけながらやっていますので良い感じでおこげができる。最後に小さく刻んだ韓国海苔を振りかけて完成。これがバランスよく美味しい。残しておいた韓国海苔で巻いて食べても十分楽しめます。
 
バニラアイス
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 最後にバニラアイス。ゆるーく溶けているのでこれだけ好みではなかった(笑)。
 
 22時51分に終電が出るはずなので、輝かしい藤巻氏の経歴や平シェフのイタリアン昔話も途中で帰らねばならないのは残念でした。タクシーで帰れる身分になりたいものです。
 総評は☆☆(二つ星)です。特徴があって十分美味しい。中野新橋の皆さんにもぜひ知っていただきたい。