「チャイニーズレストラン直城」（☆☆）
高輪の住宅地にひっそりと存在する四川料理のお店。
町田の四川料理店「随息居」の息子さんが５２５０円のコース一本で勝負し、その味はもちろん秀逸。
サービスに良い方がいれば、この立地でも十分に名店として名を馳せそうなお店でした。
住所：港区高輪３－３－８アプニール高輪１Ｆ
電話：０３－５７９８－３２２５
定休：月曜
営業：１２時～１４時／１８時～２１時
住宅街の道に入り込んだマンションの１階にお店はありました。正直飲食店がある立地でないところに驚きを感じます。
タイル張りの床にライトで浮き上がる店名のプレートがあるなだらかな曲線の塀に、木の板を並べた壁が印象的。突き当たりにガラス張りの木枠の扉があります。
ダイニングはシンプルモダン。フローリングの床にすっきりした白い椅子とウッドの机。中央のテーブルには店の雰囲気を和ませる１点もののフラワーアレンジメントです。
テーブルの上には店名を書いた紙でまとめた割り箸。
給仕の女性は中国の方ですね。電話を取ってらしたのも彼女でした。
０８年９月２７日夜の来訪。
一緒に行く土金先生がちょいと遅れて２０時４５分にこの店に着くこととなった。
４０分には電話がかかってきてしまう。そのときにはグランドプリンスホテル新高輪から歩いている途中でした。
かかってきた理由もついて納得。他のお客がいないじゃないですか。ちょっと驚きでした。
２０時半からの予約ですが、他のお客はおらず貸しきり状態でした。これはこの後の料理の味を考えればちょっと驚き。やはり立地の問題でしょうか。
漂香茉莉花 １２００円
飲み物は最高級ジャスミン茶を。濃い花の香りは何煎目でも色あせることがない。価格は中国茶専門店と同じ程度ですね。美味しいお茶です。
苦丁茶 ８００円
四川省の青城山名産茶。濃いお茶をずっと濃くした苦味の強いお茶です。笑っていいともで芸人が苦虫をつぶして嫌がるような苦味ではありません。
５２５０円
夜はお任せコース一本です。
前菜として３品の盛り合わせ。
左から、濃縮された豆腐の小片。まるでレバーのように硬められた豆腐で、風味の良い山椒がかけられていました。まずこれが美味しい。
中央はピーマンのグリルです。表面が焦げるくらいに火が通され酸味がかすかにある醤油ダレのようなものをくぐらせたようでした。
右のアボガドが秀逸。四川の辛味ダレを絡めたアボガドはその脂分とタレの辣に塩気がベストマッチ。
芝海老、絹さや、しめじ、栗、ネギの塩炒めです。生姜が利いていてさっぱり美味しい。海老がプリッとして弾ける食感なのは見事。
鴨のロースト。適当な厚みにざっくりと切られて、白髪ネギを乗せています。鴨肉の旨みは十分に残し、脂身がまた柔らかく、皮目は北京ダックのようにパリッと仕上げてあります。美味しい…。添えてあるソースは甘い味噌のソース。これって、北京ダックの変法みたいですね。普段北京ダックを食べるときは肉ももったいないなぁと思っていたので納得がいく一皿。添えてあるのはキウィでした。
次に出されたのはおこげです。上にかける餡を先に持ってきてくれてまだ食べないでといわれて待つ。
超薄切りのシャクシャク竹の子、鶏肉の細切り、柔らかく煮込まれたどんこシイタケ、グリンピース、海老にイカなどがあっさり目の鶏がらスープの餡に。
おこげは米粒が美しい仕上がり。ジュワッとかけてあわせて美味しくいただく。
柔らかな牛肉とカボチャ、きくらげ、ネギのオイスターソース炒めです。出来立てをいただくので美味しくないわけがない。
締めの料理はたんたん麺か麻婆豆腐かを聞かれます。
土金先生は担担麺、ぼくは麻婆豆腐をそれぞれチョイス。
担担麺はさっぱり澄んだたスープに胡桃を使った赤色の少々辛いたれをネギとともに表面に浮かせています。麺は細い拉麺。細麺ですが、固めに茹でられていて美味しい。辛味も強くないので子供でも大丈夫かもしれません。
ぼくの麻婆豆腐はご飯にお汁がセットでついてきます。麻婆豆腐は花椒もきいていて本格的な味わい。にらとひき肉にラー油が美味い。塩気が強いのでご飯があってよかった。お汁はわかめなどの海藻のスープ。ジュンサイが入っています。味はとても薄い。海藻味ですが、塩気の強い麻婆豆腐にあわせてなのでしょうね。
デザートも杏仁豆腐、タピオカミルク、マンゴープリンからチョイスできます。
土金先生は杏仁豆腐。
ぼくはマンゴープリンです。マンゴーの果肉が入り、プリン自体もクリーミーな舌触り。半分に切った葡萄も添えられていました。
トイレウォッチャーですので、トイレにも行っています。ダイニングからすると半個室のようなところの横を通り奥にいくとトイレがありました。なかはシンプルモダンらしくすっきりきれい。ライトウッドのカウンターがあります。洗面が変わっていて、水を出す方法がわからない！ という方も多いらしく、出し方を説明する紙が横に立てられていました。
総評は☆☆（二つ星）です。一皿ずつはスモールポーションですが、結構おなかが膨れました。