「メゾン・ド・ウメモト上海」(☆☆)
横浜発 驢馬人の美食な日々-Maison d' Umemoto
 
 ミシュランでも星を取っている上海上流階級の創作中華料理。

 オーナーシェフは若干25歳と若いのに、手間を惜しまぬ見事な料理を繰り広げます。

 上海蟹の使い方がそれは凄いお店です。
 
住所:港区西麻布2-26-20 B1F
電話:03-5467-2837
定休:日祝
営業:18時~22時
 
 六本木ヒルズから歩いて高樹町インターの乗り口の横あたりの建物に赤い看板の「BABBI」というジェラテリアがあります。お店はその向かって右側の階段を降りた場所。そのあたりだとは認識していたはずですが、一度大きく通り越してしまいました。
 よく見れば黒い大理石タイルの壁を下りるその目の前に白い文字で書かれた看板があります。
 降りた場所には赤い花。
 入り口の扉はシンプルなステンレスの枠とガラス。赤いプレートの店名が貼られています。
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 中に入るととてもシンプルな空間。フローリングの床に白いテーブルクロスの机と黒くて四角いソファのテーブル席がとても印象的です。壁にはシンプルな絵が描かれているだけととてもシンプルな内装。
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 奥は黒いカーテンで仕切られている半個室。黒っぽく透き通るテーブルにフラワーアレンジメントのあるここは1室2~8名の利用で10000円かかります。
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 白いナプキンの上に金縁のシンプルな見せ皿。箸にかにを食べるための銀の匙が最初からおいてあります。

 

08年12月6日夜の来訪。

 予約は2週間くらい前で取ることができました。

 本日は若手の会。この回はこちらで食事。
 
凍頂烏龍茶(温) 1050円
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 店名入りのマグカップに。蓋があるので中に茶葉があるのかと思えば、きちんと入れたものが入っています。なくなればまたついでくれるのでこちらの方が飲みやすくて良い。
 
文山包種茶(冷) 840円
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 後半いただいたのは冷たいお茶です。
 ガラスのコップにさっぱりした中国緑茶。
 
コース 16500円
 
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 最初はザーサイから。ザーサイというと薄切りしか見たことがなかったのですが、ここのは四角いキューブ状。ザックリしていて食感は確かにザーサイのそれ。塩気はかなりきつめですので、お酒のおつまみに良いのかも。
 
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 上海蟹は蒸す前に生きているところを持ってきて見せてくださいました。縛られています。
 雄と雌を選択できるので、人数もいたことですし、半分半分に雄と雌をいただくことにする。
 
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 前菜は盛り合わせで。中央には砂肝と茹でた殻付の海老。老酒に漬け込まれているようで香りが良い。
 ピータンは薄切りのきゅうりを敷いて、横になぜかガリがついています。
 クラゲは細切で薄いもの。やや苦味があり、狙いどころが良くわかりませんでした。大連産のようです。
 中華のソーセージは香りが充実した良品。
 奥の白いものは白菜の芯の漬物で、赤唐辛子がのり辛味のあるタレでつけられていました。
 青菜は刻んだ春菊。
 塊のチャーシューは脂身のとろみも素晴らしい充実した味わい。
 
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 点心はシューマイか餃子を選択できます。春巻きをお願いしました。ハスの葉の上で香り付けされて出されます。
 外側はライスペーパーのように薄くパリッとした食感に仕上げられ、中にもう一層少し厚めの生地。美しく折りたたまれるように作られた細い春巻きです。中の具は海老の身で極細に切られた生姜が仕込まれていました。
 
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 上海蟹は蒸したものを半分に切って持ってきてくださる。左がメス、右がオスです。
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 メスはオレンジ色の内子と蟹味噌が味わえ、オスは中央の白子がまったり美味しい。
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 脚は切り離され、すべて食べやすいように身を出して別皿で出してくださいます。
 そのままで十分に蟹の身の味わいが美味しいのですが、刻んだ生姜入りの酢をつけて食べるように出してくださいます。
 
牛頬肉の豆鼓煮
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 塊できた牛頬肉。中華料理とは思えない一品の登場にびっくりです。
 箸で避けるほどに柔らかく、とろける仕上がり。 豆鼓のソースが特有のやさしい香りです。
 これが皆にもとても好評。量は多めですね~。
 
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 野菜料理は白菜をトロトロになって崩れる寸前まで煮込んだ姿煮です。金華ハム(だと思うのですが)を使ったとろみのあるソースがかけられていました。
 特に茎の部分は上海蟹の白子のような柔らかさでペーストのようです。
 派手さはないけど手間をかけた一点突破の料理。これも面白い料理でした。
 
上海蟹みそ炒飯
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 黄色いチャーハンです。
 この黄色はすべて上海蟹味噌の味噌なのですから驚愕の量ですね。
 味も食べたことがないほどの上海蟹味噌味です。
 
上海蟹みそ坦々麺
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 すぐに乾燥してしまうため、早くたれと麺をからめて食べるように言われて出されます。
 見た目はまるでミートソースのよう。汁なし担担麺なわけですが、固めの中華麺に上海蟹の味噌や身、うちこなどを使った濃厚なソースをかけたあります。指示通り混ぜ合わせるとちょうど良い塩梅。辛味は少ないのですが、美味いものは美味い。

 

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 デザート1品目は温かい胡麻団子です。
 中に甘~い黒胡麻のペーストの入った柔らかな白い団子がその茹で汁に金木犀の香りをつけたスープに浸っています。スープを飲むのかと思っていましたが、そうでもないようです。香り付けですね。
 
 2品目は選択でした。
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 ぼくは黒トリュフのアイス。たっぷり細かくしたトリュフが入って香り高い。
 
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 同期の友人は刻んだ苺とグレープフルーツが入るマンゴープリン? スープのようでした。
 
 総評は☆☆(二つ星)です。
 創作中華として従来の店にない展開は素晴らしいが、何かが足りない気もします。コストのためでしょうか。