「Maruta(マルタ)」@調布(☆☆☆)
https://www.maruta.green/
調布にある一軒家の薪火料理レストラン。
これがお客と店のスタッフの共有感が物凄い特別な時間を過ごせる稀有なお店です。
緑と共生したその空間、フレンドリーなスタッフ、高級食材に頼らず薪焼きを始めとした工夫で美味しい料理、ここにいる時間の過ごし方自体が極上。
そのために旅行する価値がある卓越したレストランです。
住所:調布市深大寺北町1-20-1
電話:042-444-3511
定休:月曜ランチ・火〜金曜
営業:11時半〜/17時半〜
最寄り駅から2km以上離れているであろう木造の一軒家。ライトアップされていて緑も素敵。薪窯の部位は石造りなのが外からでもわかります。
入り口は石タイルのアプローチで、ガラス張りの扉の入り口。店名は右にライトアップされています。
入った場所にはレセプションがあり
向かって左奥からは庭に出ることができます。早めに来たときは料理に出される野草などがあるこちらの庭を楽しむこともできるようです。
その手前の厨房脇には色々な瓶が並ぶバーカウンター。
24年1月7日夜の来訪。
15時半に家を出ましたが、湾岸線は羽田空港近くで事故渋滞があり、友人のお迎えに遅れてしまった。17時過ぎにようやく春日で大学以来の友人らを拾い、17時半予約ですが、17時50分に到着。
道の反対側にコインパーキングがあり、そちらに駐めて伺う。場所も場所なので、この日ディナーを食べて駐車場を出すときの料金は400円と激安。
18時の料理スタートまではバーカウンターでお茶を頂いたり、飲み物を注文したり、庭を散策したりと思い思いの形で過ごします。
17時半予約3人はネットから。事前に確認の電話がかかってきます。
ウェルカムドリンクは、庭にある野草で、荏胡麻の葉、山桃の葉、ローズマリーなど煮出したお茶をいただく。
最初に頂いたのは三鷹の生姜とローズマリーのコンブチャ。ソーダで割っています。1杯いくらかは会計が友人なのでわかりませんが、卓上に頼んだ分の棒がさされます。ざっくりで良いけど、採算取れるのかな? 良心的すぎると怖い。
24000円
おまかせコースのみです。
最初は天然キノコの茶碗蒸し。
キノコは旬の時期にとってあったものを冷凍にしていたそう。
黒いのはナラタケもどき。ペーストの主体になっているのはヤマドリタケモドキで、ポルチーニの親戚だと言う通り、運ばれてきたときにポルチーニの香り。キノコ特有のとろみがあるソースです。
さらに上にオイルのように見えるのは烏山椒のソース。
この間にも後ろの薪窯からスパイシーな香りが広がってきます。
鉄鍋が供されます。
中には厚切りのマカジキ。鍋に一緒に入っているのはサワラとマートル。
マカジキというよりもマスのようなピンク色で脂が乗っています。中はレア。皮目が燻されていて香り良く、塩も極まっていて激ウマ。
付け合せは玄米のリゾット。硬めに炊かれています。
上にはタネツケバナ。それにマートルの実を振りかけています。
左にほうれん草の根っこ。ひげのような根はパリパリ、根元の方はホッコリした感じの食感で美味しい。
右のほうれん草の葉の中にはほぐしたイバラガニもどきがたっぷりとパクチーです。蟹の旨味がたっぷりでした。
中央にはウコンとバターのソース。かけられているのはカラスミと柑橘の皮のパウダーです。
出てくる料理は同じテーブルのみんなで取り分けることが多いのですが、伊豆大島の海水の塩とスポイトに入っている薪火オイルは2名で1つ。このオイルすごい。塩も自分で調節できるので嬉しい。もっとも、塩がいらないくらい塩梅はちゃんとしてます。
アンコウの薪焼き。灰の中で休ませて脱水したものだそう。
自分たちで切り分けてまずは塩といただく。
それに合わせて緑色をしたからし菜のスープ。素揚げしたからし菜にバイ貝、カブをあわせています。
2杯目にお願いしたのはイチヂクのコンブチャ。上に葉っぱが何やらあって火で炙って香ばしさを足していただく。
これまた薪焼きの金時ニンジン。みかんジュースに漬け込んだにんじんの薪焼きで。にんじんの臭みがなく、カボチャのように甘く美味しい。
お皿に自家製サワークリーム。その上にせんべいのようにパリパリにしたにんじんの葉と振りかけたチーズ。人参の葉の下にはバラの花弁のように寄せられたレアな低温調理の牛肉です。
枝が刺さった小さなおやき。里芋とアンコウの内蔵でできています。上には大根おろし。横には刻んだ野沢菜。
木の上に熱した石を乗せてきてくれます。横には柚子。
おやきをこの石で焼いていただく。
先程見せていただいた薪焼きの真鴨。
ゾロンとレアな断面が見える。下に敷かれているのはその内蔵のソース。
横に置かれているのは大根の燻製で、いぶりがっこみたいなものをさらにおでんにして煮込んであります。これは正直好みではなかった。
その上に鴨の砂肝。
骨付きの腿肉もついてきます。
乾燥させた柚子釜に石蕗の葉などを詰めたものです。
濃く淹れて氷にかけて冷やしたものだと思います。
その紫色の薩摩芋は自分で切ってお皿に。それと添えられているのはホエイのアイスクリーム。
さらに食後は中央のテーブルなどに用意された様々な小菓子が用意されています。
作りたてのモッツァレラチーズや巻で自分で焼くマシュマロなども。
この後、娘の塾後のお迎えがあるため早く帰らざるを得なかったのが残念。
この店のホスピタリティは素晴らしい。稀有なお店です。総評は☆☆☆(三つ星)!!