「懐石 円相」@小田原(☆☆彡)

 加えすぎない。必要最小限でありながら物足りなくはなく、他の店にはないと思えるような独特で印象に残る美味を実現している。
 こちらは小田原の地とその素材でそれを実現している和食の店です。実に素晴らしい。
 
住所:小田原市本町1-12-12 メゾン本町 101
電話:0465-20-3661
定休:不定休(完全予約制)
営業:11時半〜14時半/18時〜22時半
 
 4階建てのマンションの一階。白い塗り壁に木の引き戸のさっぱりした外観。

 中に入ると暗めの通路で、先に6席のカウンターがあります。白檀のような香りて、前面の壁は陶器の飾りと一輪挿しというさっぱりした面持ち。

 後ろには4席のテーブルの半個室もあります。

 カウンター上には円形のお盆と店名入りの手拭い。

 

24年3月17日昼の来訪。

 小田原駅からえっちらおっちらと小田原城の横を通ってきたら、30分くらいかかってしまった。

 12時に一人で予約、一番下の20000円のおまかせです。
 
 

自家製の果林のシロップのソーダ割り。甘味が程よく酸味は軽く美味しい。
 

 蛤と湯葉と新玉ねぎ。中央に葛で寄せた蕗の薹豆腐。苦味が旬の春を感じさせてくれます。玉ねぎは甘みのある刷り流しに。印象に残る一品ですね。
 

 大徳寺麩。ペーストのようなからし酢味噌を絡めながらいただく。上には張りのある青柳とそのヒモ。味噌の美味しいホタルイカ。シャクシャクした九条ネギ。素晴らしい。
 

 鯛の潮汁。上には白髪ネギと揚げたネギかな。
 大きなプリプリのキクラゲ。
 お汁は昆布と鯛の出汁がしっかり出ていて美味しい。
 

 2杯目はレモンのシロップのソーダ割り。

 極薄でサクサクのイワシの煎餅。山葵。真鯛のお造り。昆布締めで、ネットリとした口当たりで大変美味。かけられているのは梅干しを使った煎り酒。これも素晴らしい。大将の味覚の確かさがわかります。
 

 小田原であがった鰤。行者ニンニクの醤油でもみ洗いしたもの。上には干しエノキ。素揚げしたようなエノキはカリカリ。これも素晴らしい。
 過不足なくここならではの皿が続きますね〜。

 八寸。横に長い木の箱に入れられています。

 メヒカリの唐揚げ。小さいのに身がふわっとしていて、薄い衣で素揚げに近いけど美味しい。
 バイ貝の旨煮。身がしっかりしていて美味しい。
 自家製の蒟蒻のきんぴら。
 海老は頭を揚げて。身は旨煮に。
 新海苔の卵寄せ。しっかり目で海苔の香りが良い。

 無農薬の春菊の白和。
 鯛の内子の煮物。
 

 高級魚である地元のおしつけことアブラボウズのつけ焼きと相州牛のつけ焼き。出汁醤油につけています。上には椎茸の蒸し焼き。おしつけはフグのように弾力と張りのある身が美味。相州牛は脂が乗っているけどやや硬めでした。
 

 オレンジのソーダ割り。リキュールが入っているのではないかというほど深いコクのある味わい。
 

 静岡の筍と地元の菊芋に煮物。
 上にはそら豆と昆布のような旨味のある蕗、そして春を感じるタラの芽です。
 

 筍のフライと甘鯛の天ぷら。これも素晴らしい。
 上には苦味のある蕗のとうの佃煮。
 

 熱々の京都のいり番茶。
 香りがまるでキーマンのようにスモーキー。
 

 ご飯は土鍋で炊いたもの。対馬のズワイガニと出だしのグリンピース。
 そこに揚げと胡麻と新生姜。
 おかわりしたいほど美味しいが、今日は食べ過ぎなので、ぐっと我慢しました。
 香のものは自家製のたくあんと祝蕾の浅漬け。面白いもの漬けてますね。
 

 甘味はまず八朔のゼリー寄せ。甘みが程よくとても美味しい。

 そして、小田原の苺とそのアイス。これもきちんと美味しい。
 

 最後にお抹茶をいただく。
 

懐石 円相日本料理 / 小田原駅
昼総合点★★★★ 4.5